くまんち

なんてことない、日々のこと

きちんと悩んで決めたことはいつだって正しいのだ

結局、この夏の帰省を諦めた。

 

実家に連絡し、島の祖母に連絡し、自分の言葉で認めることの辛さよ。

どちらも口を揃えたように「会いたいけど、(ワクチンを受けていない)ちび太が心配だった。元気なのに、到着するまでに感染させたらと思うと…」と。

私が心配したのは、やはり祖母のことだ。私たちが無自覚無症状で島に持ち込んで、祖母に感染させたら…私たちが帰り、また一人になった時に発症したら…大きな病院に行くには日に数本の船に乗らなくてはいけない。タイミングによっては、手遅れになりかねない。そう思うと、とても怖くて堪らなかった。

そうやって、お互いに不安や心配を押し殺して断行する勇気?覚悟?は私にはない。

 

娘の部活に陽性者が出た。吹奏楽部はパート練習をしていたので娘は濃厚接触者には当たらないものの、みんなで受けた抗原検査で陰性だったため一緒にコンクールに行った子たちが次々と体調不良を訴えたらしく、部活は昨日から早めのお盆休みになった。

夫の職場でもこの週末にかなり陽性者が出たらしい。

夫も娘も濃厚接触者には当たらないみたいだけど、今までで一番、コロナが身近に迫っている感じ。

 

だから

 

だから、これでよかったのだ。そう思おう。

 

幸い、娘も夫も今のところ何の症状もない。このまま『いや〜今までで一番近くまで来たよね〜』と笑って済ませられますように。

 

ところで、五島ではお盆に小麦粉だんごと椿の葉に乗せて蒸すお餅を作る風習がある。

前回3年前の7月に行った時には「くまりちゃん、生イーストがないと。生イーストがないと作れんもんねぇ、ホットケーキミックスじゃあねぇ…」と話していたので、てっきりお盆の時期にしか手に入らないのかと思っていたが、

「ちびちゃんたちもかわいそうやったね。会えんのやったら、せめて何か…な〜んもなかもんねぇ、お金でも送ろうかね」と言う祖母に「お盆のお団子、お裾分けして!今年は一緒に作って食べれるね〜って楽しみにしてたの」と頼んで初めて知った。高齢化で自宅で作る人が減ったせいか、最近はそもそも売っていないらしい。

なるほど、ドライイーストと違って賞味期限が近いし、買う人が少ないのなら仕入れないのだろう。

というわけで、生イースト。買ったことがなかったけれどネットで調べて…島のお盆に間に合う通販がないことを確認して慌てて市内の製菓製パン道具を扱うお店に問い合わせた。

最後の一つというのを慌てて買いに行って、その足で持って行くつもりだったお土産と最近の写真やら息子の絵やらを一緒に箱に詰めてクール便で送った。お盆には充分間に合う。祖母は母と叔母と、久しぶりに一緒に小麦粉だんごを作れるはずだ。

子どもの頃に早起きして見た、祖母と、母たちが娘に戻ってだんごを丸める背中を思い出し、私は一人満足する。母も数年ぶりの島でのお盆を楽しめるといいな。

 

「生イースト」大したことではないけれど、会いに帰れない分、少しでも祖母のために何かできたのだと思うことができてよかった。

 

さ。気持ちを切り替えて、子どもたちをどこに連れて行こうかな?

安全で楽しい場所…母ちゃん、探して連れてくから、宿題さっさと終わらせなさ〜い!!