くまんち

なんてことない、日々のこと

友だちのこと

気がついたら随分書いていなかった。

というのも、私は一人の時間がないと文がうまくまとまらない。要は、頭の回転が残念なのだ。マルチタスク?こんがらがっち。

 

ここ最近、中学からの友だちと頻繁にLINEをしている。

中学を卒業して、進学や就職、結婚…お互いが地元を離れたこともあって、もう15年くらい会えていないけれど、親友と思える友だち。言い訳のようだけど「親友」という、この青臭い言葉を受け入れるしかないと思える唯一の友だち。

 

「ここ最近」という言葉からお察しの通り、中学時代の付き合いがずっと続いていたわけではない。私に娘が生まれた20代半ば、お互い妙な気を遣ってぎこちなくなり、年賀状程度の付き合いになっていた時期もあった。

それが、気兼ねなく世間話をするようになったのはコロナ禍が始まった頃からだろうか。

コロナコノヤロウという気持ちはあるけれど、自分にとって大切な人、が明確になったと思う。

マスクやアルコール消毒液、果てはトイレットペーパーまで店頭から消えた、あの時期。暗く不安な空気の中で、仲良くしている人の中にも“嫌なことへの対処”がどうしても合わない人がいるということがよくわかった。今まで「人それぞれ」と気に留めずにいた面も毎日のように、となると正直なところ、しんどかった。

それが明確になったことで、どんなに喧嘩をしようとも、夫はやっぱり私が選んだパートナーだと実感できたし、不安な空気の中で一緒に笑える彼女はかけがえないと思えた。

このことに気づけたことは間違いなく幸せなのだと思う。

 

さて、その親友からSnowMan沼に引き摺り込まれている。先月からだから…と考えると怒涛の勢いだ。

イケメンは脳内で「イケメン」にカテゴライズされ、顔の区別がつかなくなるくらいアイドルに興味のない私。更に言えば、和洋問わず、男性グループの歌もあまり惹かれない。好き嫌いでなく、なんというか、さら〜と聞いてしまうのだ。あのドラマの歌だね〜くらいしか認識できない。そのへんのおじさんと変わらない…といえば、失礼になるほどエンタメ偏差値の低い私だ。

その私を「今日、今ハマってるアイドルグループがテレビに出るの。楽しみ♪SnowManっていうんだ〜」「昔からジャニーズ好きだね〜」みたいな何気ない会話から、スルスル〜と沼へ導く幼なじみの恐ろしさよ!

そもそも、中学生の頃から私の好きなものを知っているんだもの。ツボの押さえ方を心得ていらっしゃる。

決してゴリ推しはしないのだ。私が好きそうなことを「見て見て!」と教えてくれるだけ。「わぁ〜好き〜」などと言っているうちに、あれよあれよと沼に片足を入れている、その状況がなんだか面白くて仕方ない。

 

中学校の教室で二人、くすくす笑いながら話していた休み時間や帰りの分かれ道でいつまでも話し続けた夕暮れが微かによぎる。

 

私たち二人のLINEを覗き見た娘が

「いくつになっても友だちってこんな感じなんやね」

と笑う。

「そりゃ、そうよ」

娘には当たり前のように答えたけれど、当たり前ではないのも知っている。

「見た?」「見た!」

「かわいい」「かわいい」

内容なんてない。でも、くだらなくて楽しい。

沼にハマったか、と自分に問えばたぶんハマりきってはいない。ただ、あの頃のように、会えなくても彼女の表情が見えるような会話ができることが嬉しい。

過ごしている日常はまったく違うけれど、そんなことお構いなく話せる。そんな日が戻ってきたことが嬉しいのだ。

 

「人生でそういう友だちに会えたのはありがたいことだなって思うよ」と彼女が言った。

 

本当に。

娘も、一人でもいいからそんな友だちに出会えたらいいなと思う。

中学生という、心も体も不安定な時間を、共に乗り切る友だちが一人でもいてくれますように。