くまんち

なんてことない、日々のこと

たけのこを巡るアレコレ

なんだか月一ペースになってしまっている。

 

書きたいことはいっぱいあったのだ。

たとえば、5月の終わりに人生初めてのたけのこ掘りに行ったこと!

朝露に湿った草を踏み締めて竹林に向かうその小道すら楽しかった。

青いツユクサ、まるまると大きなてんとうむし。子供の頃はありふれていたのに、今住んでいるところでは見かけない。

あぁ、そうだ。私が生まれ育ったところは山が近かったなぁ、などと思いながらはしゃぐ息子の背中を見ていた。

肝心のたけのこ掘りは思っていたよりもずっと重労働だった。

竹林の地面はふかふかしていた。湿り気を帯びた緑の匂い。掘りたてのたけのこの甘く青い匂い。街中では見かけないようなぷりぷりに大きなハエが掘りたてのたけのこに寄ってくる。

美味しそうな匂いだもんね、あっちへお行き。

脱サラしたママ友はこの竹林の一部を開拓してキャンプ場を運営するつもりなのだ。小さなカフェも併設するために勉強中だとか。

人生の新しいステージに向けて動く彼女を眩しく思う。私は、何に対しても尻込みしてしまう。

もらって帰ったたけのこをすぐに茹でる。

たけのこは掘られて時間が経つほどエグ味が出るのだとか。急げ、急げ!

大きなお鍋に1リットルの水と塩を小さじ2。

米糠がなくても灰汁を抜けるというレシピを初めて試す。

茹で時間は10分〜15分。本当に10分でいいの?て思いません?だってたけのこは米糠で数時間茹でて茹で汁に漬けたまま…って常識じゃ…

15分茹で竹串がスッと通るのを確認し、レシピ通り流水で洗う。大丈夫かしら、と味見。

しゃくり

お、大丈夫だ。塩気も感じない。これはいい。なんせ大量に茹でなくてはいけないのだ。

テンションが上がって掘りすぎてしまい、10本ももらってきてしまったのでご近所のママ友に2本ずつお裾分けしても、まだ多い。

次から次へと皮を剥き、湯を沸かし、茹でては洗いタッパーに詰めていく。

「なんか工場みたいでいいわー」

皮むき担当の娘が笑う。

「お母さんもそう思ってたとこー」

全部のたけのこを処理し終えると、たけのこの皮だけで大きなゴミ袋がいっぱいになった。たけのこ工場はこれにて終了。

「また、来年もたけのこ掘りさせてもらえたらさ、私が皮むきするね。皮むき、気持ちいい」

わかる。たけのこの甘く青い匂い。

慌ただしいけれど、季節と生きている感。良い。

 

もちろん、この後たけのこの天ぷらにたけのこご飯に若竹煮。たけのこ三昧を楽しんだのだけど、、

 

これを書いて投稿しようとした夜、娘がマダニに噛まれていたのが発覚。翌日、息子の体にもぶら下がるマダニを発見。

娘はともかくも、息子は一緒にお風呂に入り、全身を洗ってやっていたのは私だ。なぜ見つけられなかったのか、割と念入りに洗ったはずなのに、と悔いても悔いてもしょうがない。息子のマダニを見つけたタイミングはちょうど通常診療が終わる頃だったので結局夜間救急で取ってもらった。

「口吻まできちんと取れていることを確認しました。念のため、6日から2週間ほどは異変がないか気をつけてください。熱が出るとか、発疹が出るとか何かあればマダニに噛まれたことを申告して血液検査のできるところへ。予防策がないので気づいたら早めに対処するという形になります」

なんの症状も出ない人が大半ですから、と不安気な顔をしていただろう私に笑いかける。

「うちの病院だと…年に一人くらいかな?亡くなるのは」にっこり。

それは余計な一言ですわ。

 

さーて、伝わるだろうか?

もうこの辺りから何を主軸に書いていいのかわからなくなったのだ。

たけのこ掘りを通して季節を感じた幸福感を書きたかったのに、下書きに保存して「公開前に一度見直そうっと♪」としたばかりに、すっかりそんな気分でなくなってしまった。

息子の内腿にぶら下がるマダニの姿が脳裏にチラつく。娘も息子も…虫除けスプレーも長靴も、ちゃんと対策してたつもりだったのにな。

 

ようやく不安な2週間が明けた。

 

娘も息子も、たけのこご飯うまーーと食べて、ゲラゲラ笑いながら元気に過ごしている。来年もたけのこ掘りに行けるようなら行きたいそうだ。

くよくよしがちな私からよくもまぁ、カラッと明るい子たちが生まれてきたものだ。

虫除けスプレーはしつこいぐらいにしようね!

楽しいことを心から楽しめるように

準備は念入りに!