朝ごはん
「お母さん!これ、おいしい」
寝ぼけまなこでたまごサンドをかじった娘がぱっちりと目を開けて言った。
「そう?よかったね」
ちょっと前までたまごがあまり好きでなかった娘、よく考えるとたまごサンドを作ってあげたのは初めてだった。
「たまごがあったかいのがいいんだね…うん、マヨネーズはなくてもいいかも。なくてもおいしいと思う!」
いつも寝ぼけたまま、ただお腹に食べ物を入れるだけの朝ごはん。
初めて食べる味に、こうしたらもっとおいしくなるかも、ああしたらもっと好みかもと考える内に娘の顔に赤みがさす。
ゆでたまごにする時間がなかっただけだけど、オムレツを挟んだたまごサンドは好評でした。
今度はパンにマヨネーズじゃなくて、バターを塗ろうか。
こうして家族の味が増えていく。
思いがけず幸せな朝ごはん。