犬も食わぬのに
特に好きな作家というわけでも、気に入った本というわけでもなく、気まぐれに手にして、気まぐれに開いたページの言葉が、妙に心に刺さることがある。
「油断するなよ、昨日の 好き と今日の 好き は違うんだから」
こんなニュアンスの言葉だった。
中学生の頃だから、うろ覚えだけど。
短いフレーズが20年近く繰り返し思い出されるほどに突き刺さっているのだから、作家ってすごい。
時々思い出して、自分を戒める。
時々思い出して、夫にぶつけてやりたい!と思う。
夫を好きだと自覚した遠い昔。
昨日の好きと違う、今のこの気持ちが“ 恋 ”なのか、と胸を震わせたというのに。
近頃は いつまでも好かれてると思うなよ! という気持ちで思い出す。
仲良くやろうぜ、私たち。目指しているところは一緒なんだから。
頑張れ、じゃなくて頑張ろうって言ってよ。
喧嘩したくないなら素直に言うことを聞けばいいんだろうけど、それをやっちゃうと嫌いになりそうで抵抗してます。私。
反抗じゃなくて、抵抗してるんです!私!
書きたいことを書いていたら思わぬところに着地してしまった。
一昨日の喧嘩を思っていた以上に根に持っていたらしい。
犬も食わぬ夫婦喧嘩。まあ、不味いんだろうな。
美味く思いを言葉にするレシピが知りたいな。