くまんち

なんてことない、日々のこと

雨漏りの記憶

今日は雨降り。なかなかの土砂降り。

 

幼い頃、私は小さな平屋に住んでいた。
大学卒業後すぐに結婚した両親は若く、お金もなかったのだろう。家は古くて、二部屋しかなくて、トイレは汲み取り式。裏山にはたぬきが住んでいた。
それでも私はこの家に住んでいた4歳頃までの記憶が愛おしい。

 

その古い家が大雨の日、とうとう雨漏りした。
部屋中にバケツやお鍋や洗面器やら並べて、母と二人、部屋の隅っこで雨漏りの音を聞いていた。
あの時の母の心境を考えると笑えないけど、幼かった私にとっては特別で忘れられない記憶になっている。

 

歌を歌った気がする。

停電していたから、いつも以上に母と話した気がする。
「夜じゃなくてよかったね」と言われて、雨の日でも意外と外は明るいなぁと思った。


その日の夜、どこに布団を敷いたのかは思い出せないけど、雨のにおいや母が履いていた短パンの色はおぼろげに覚えている。

 

遠くで雷が鳴っている。


私は子どもたちにこんな思い出を残してあげられているだろうか。


腕まくらの中で眠る息子を見ながら、ちょっと心配になった。

 

ガミガミしてる姿しか思い出せなかったらどうしよう。

 

 

書きながら、テレビとスマホをちょっと控えようと思った。ムム、反省。