くまんち

なんてことない、日々のこと

寄り添う指

なんとなく注目してしまう体のパーツ。誰にでもあるんだろうか?
 
私の場合は、指。
 
きっかけは中学生の頃。国語の先生が唐突に
「あら、綺麗な指ね」と褒めてくれたのだ。


私の手は指が長い。が、節が太い。アスパラと言うよりは笹のような指で決して“綺麗”ではない。おまけに幼少期の執拗な爪噛みが祟って、短くずんぐりとした爪。
女性らしさとは程遠く、どちらかというとコンプレックスだったのでその時もそんなことない、というようなことを言ったと思う。
すると先生は笑って

「中指と薬指の先が寄り添うようにくっついているでしょ?そういう手をしている人は誰かを助け、助けられる人生を送るんだって」

と続けた。
先生は次の授業のため足早に教室を出、後は女の子達できゃあきゃあとお互いの手を比べ合った。
 
そんなことがあってから、なんとなく指に目がいく。
中指と薬指が頭を寄せ合うようにしているかなぁって。だからどうってわけでもないんだけど。夫の中指と薬指が寄り添うのを確認した時はほんのちょっと嬉しかった。
 
 
今朝握った私と娘のおにぎりが仲良く頭を寄せていたので思い出した。
 
あの国語の先生、いい先生だったなぁ。人を見る目が温かくて、嬉しくなることをさり気なく言ってくれる先生だった。今の私は当時の先生よりもたぶん年を取ったけど…まだまだ及ばない。
 
挨拶のようにさり気なく人を褒められる人になりたいな。