立秋
「今日から秋なんだって!」
朝のニュースを見ながら娘が言う。
「暦の上ではね〜」と返す。こう暑いと実感しようもないよね。
『めざせ!お昼前には図書館へ!』なんて言いながら朝の家事をあれこれする。
娘の自由研究の資料集めだ。大人になってまで自由研究に頭を悩ますことになるとは、子どもの頃は思いもしなかった。
「予定よりちょっと遅れたね!急げ急げ〜」と娘が玄関を開けると風が吹き込んだ。
「わ!涼しい!今日から秋って本当だね!」
「本当ね〜」
さっきは暦の上ではね〜なんて言ったけど、確かに風が涼しくなっている。
今年の夏が暑過ぎたせいか、
娘が嬉しそうに「今日から秋」と言ったせいか、生まれて初めて《立秋》を感じた。
その数分後には「秋」の アの字も干上がる暑さにゲンナリしたわけですが…
ニュースを見ながら暦を話題にするようになった娘の成長と、娘のおかげで一瞬でも《立秋》を意識できたことがなんだか嬉しいので書き留める。