くまんち

なんてことない、日々のこと

打ち上げ花火

花火大会に行ってきた。


早めの夕飯を済ませて、車は混むから、と家族4人でのんびり港まで歩く。

いつもはありえない時間帯の散歩にはしゃいだ息子のパタパタする足先を見ながらベビーカーを押す。

 

同じ方向を目指して歩く人、私たちを軽やかに抜いていく自転車たち。

こうして見ず知らずの人々が同じ目的を目指して集まるというのも面白い。

 

夕方とはいえ、蒸し蒸しとした暑さの中、浴衣を着た子ども達も、綺麗なお姉さんも、Tシャツのおじさんも、皆そわそわと或いはイライラと花火が打ち上がるのを待っている。

 

そこに一発目の花火。


皆、一斉に顔を上げ歓声を上げる。
皆の苛立ちと疲労を吹き飛ばす打ち上げ花火。

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テレビで見るのも悪くないけど、やっぱりこうして家族とそして見ず知らずの人々と一緒に歓声を上げながら見るのがいい。

心臓にズシンと響く音も、嫌なものを全部吹き飛ばしてくれるようでいい。

 

一歳の息子は初めての爆音と熱狂する雰囲気にキョロキョロそわそわしているが、怖がってはいない様子。

そんな息子に娘は嬉しそうに「きれいだね!」「見てて、次のはきっともっと大きいよ〜!」と解説している。

娘は自分の好きなもの、楽しいことを人と共有することが嬉しい子なのだ。
こういうところがたまらなくかわいい。

 

今年の花火は例年以上にきれいだった気がする。


夢中で娘とはしゃいでいたので、つい写真を撮り損ねてしまった。最後は周りの人につられて拍手までしてしていた。

 

帰り道、夫がぽつりと
「さっき、たぶん、小学生の時の友だちがいたわ。全然変わってなかった。
まぁ、友だちといっても何度か遊んだくらいのうす〜い仲だけど」


「よく覚えてたねー」

「いや、今まで思い出したこともなかったんやけど…そういや、家、この辺りだったもんな」

 

きっと、心が小学生時代に戻っているであろう夫の横顔は少し嬉しそうに見えた。

 

「なんか、いいね。会ったらわかるもんなんやね」

「うん」

 

やっぱり、打ち上げ花火っていいなぁ。