くまんち

なんてことない、日々のこと

火曜日の犬

突然ながら、私は鹿先生の鹿曜日を楽しみにしている。
火曜の朝は、天気予報と鹿曜日をチェックして、鹿のいる日常に思い馳せながらコーヒーを飲む。
これがなんとも幸せなのだ。
 
そんな私だが、今日の火曜はいつになくソワソワしている。
というのも、最近火曜の夕方に見知らぬ“犬”から電話がかかってくるのだ。
 
読み違えたと思われるかもしれないので、もう一度。
 
“ 犬 ”から電話がかかってくるのだ。
 
最初は9月最初の火曜日。
現在小学校の役員をしているので、見知らぬ電話番号でも出るようにしている。(非通知は知らんぷり)
「…もしもし」
ゴソゴソ、ゴソゴソ
「もしもし、くまりですが、どちら様でしょうか」
ぐむぐむ ボフボフ
「あの、もしもし?」
ハッハッハッハ
『……犬の鼻息?』
ハッハッハッハ
「………ごめんなさい、失礼します」ガチャン
 
翌週の火曜日
またも知らない電話番号。
「はい、もしもし?」
ハッハッハッハ
ゴソゴソ…
「あの、ごめんなさい。失礼します」ガチャン
すぐに着信番号を確認する。
同じだ。先週の鼻息さんだ。
 
「どうした?」
訝しげにスマホを見つめる私に夫が声を掛けた時、またも着信。同じ番号からだ。
「なんかね、変な無言電話なんだけど…コレ、またかかってきた」
「俺が出るわ……はい、どちらにおかけですか?」
スピーカーボタンを押す。娘も恐る恐る近づいてきた。
がふがふ…ゴソ、ザッザザッザ
「もしもし?」
ハッハッハッハ
「…犬っぽいな」
ハッハッハッハハッハッハッハ、ザッザッ
「…でしょ?」
「犬がどうやって電話するの?」
「さぁ…リダイヤル?」
ガチャン。
 
またかかってきた。
出てみる。
ハッハッハッハハッハッハッハ……
夫は「いつまでやるつもりか、聞いててみようか」などと言い出して通話状態のまま放置。
スピーカーから延々と聞こえるガサゴソと吐息。
 
10分くらいだろうか、私が夕飯を食卓に並べ終わってもまだ、ガサゴソ、ハッハッとやっていた。
「切りますよ〜」と夫が宣言して切った後も数回着信があった。
 
なんとも可笑しいんだけど、やっぱりそこはかとなく不気味だ。
 
今日の夕方もかかってくるかな、と思うとなんとも言えない気持ちでいる。
 
 
*追記*
本日は“ 犬 ”からの電話はありませんでした。
ホッと一安心。お騒がせしました、ワン。