くまんち

なんてことない、日々のこと

かんころ餅の季節

ふふふ
長崎の五島で暮らす祖母から荷物が届いた。
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こちら。金の延べ棒…ではないけれど
我が家にとっては、黄金色のおやつ。
かんころもち


かんころもちは、茹でたサツマイモを干して、もち米と一緒についたお餅。島の保存食?保存おやつ。
私にとっては懐かしい冬の味。
 
このノートを書いている途中で、pecoさんがかんころもちを作る準備をしているというノートを読み、嬉しくなった。
かんころもちの季節。
 
お地蔵さんのような色…
見た目に華がないのもご愛嬌。
家族で作って、家族で食べるとに見映えなんて気にしとられんけんねーw
それぞれの家庭の味があるので「ご近所の誰某のかんころ餅」というのはどうもしっくりこない。
おいしいんだけど…やっぱり祖母のものが落ち着くのだ。
 
搗きたての歯ざわりは名古屋のういろうに少し似ている?いや、あんなに歯切れはよくない。すごく素朴なのに、例えるのが難しい…
加熱すると甘みが増してネットリするので1cmくらいの厚みに切って、トースターやフライパンで焼く。
 
表面をカリとさせるのが好き。
中はネットリ、サツマイモの甘さにほぅとする。
お供は苦めの緑茶♪
祖母のかんころもちは甘めだ。
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五島に住む祖母は秋に収穫したサツマイモを茹でて干して、かんころもちの仕込みをする。
夏休みに遊びに行くばかりで、その手仕事を私は知らない。
知らないながらも、その作業が片手間にできるようなものじゃないことはわかる。
大変な重労働のはずだ。
 
「作りすぎよ」と母は苦笑い。
 
「もう、くまりちゃんとこしか喜んでくれんとよ〜」と祖母も笑う。
 
我が家は毎年、かんころ餅がギッシリ詰まった小包みが届くのを楽しみにしている。
届くと、私も子どもたちも小躍りして喜ぶのだ。
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これは去年の写真だけど…ほら、食いしん坊くんは私が冷凍庫に運んでる隙に盗み食い(笑)
搗きたてを送ってくれたのでチビにも柔らかく、焼かずともおいしかったのだ。
 
「ねー、かんころもちのレシピ、いつかちゃんとお母さんに教えといてね!ひいおばあちゃんが作らなくなったら食べられないなんて、やだからね!」
 
お礼の電話で娘が言っていた。
大人がギョッとすることを無邪気に言う娘に
 
「うろ〜そんなに好きね?」と祖母は笑っていた。
 
「うん!大好き!」
 
かんころ餅は祖母の元気の証。
 
いつまでも食べられますように。
 
う〜ん、やっぱり金の延べ棒よりも価値があるかも!
冷凍庫いっぱいのかんころ餅を眺めながら思う。
 
pecoさんのお家のかんころ餅はどんなお味だろう。
 
今の自分を作った懐かしい味たち。
 
レシピ本にはないものこそ、受け継がれるべきなんだろうな、としみじみ思う。