サンタ捕獲作戦
「やっぱり、今年は寝たふりして朝まで起きてようかな?」
不安げな顔で娘が言う。
「何?サンタ、捕まえるんか⁈」
夫は目をいたずらっぽく光らせて
「いいね、やってみるか!」
「違うよ。捕まえたりはしないよ……バレないように見るだけ」
「なんで!捕まえたらご近所中のおもちゃ独り占めじゃん!」
悪い大人の言葉に
「やだよ、代わりに配って回るのなんて」
ズレた…もとい、真正直な娘。
「起きてるの、協力しようか?」
「んー、やっぱ、いいや。寝る!寝ることにするよ」
「またまた〜お父さん達にそう言っておいて、こっそり起きてるつもりだろ!」
「えー?もしかして、お父さんかお母さんがサンタさんのスパイだと思ってる⁇」
「違うよ!…違う」
言いにくそうに、でも、娘は小さく決意したように続ける。
「どっちかというと、お父さんとお母さんが、自分で考えたサンタという架空の生き物を私に信じさせようとしてるんじゃないかと思ってる」
「「おぉぉ…⁈」」
「信じさせてどうするの?」
「お母さん達が考えた、って…お母さん達も子どもの頃、サンタさんからプレゼントをもらってたよ?」
「私の予想だけど、子どもが生まれるとサンタ協会からサンタになれって指令がくるんじゃないの?」
「「サンタ協会⁈」」
「『子どもが生まれたのでサンタになること、決してバレないこと』って指令がきたんじゃないの?」
私はなんだか感心してしまって(笑)
「仮にそんな指令をもらっていたとしたら、『秘密を守ること』というのも約束させられるだろうね」
なんて言ってしまった。
娘の予想は当たらずとも遠からじ。いや、ある意味正解だと思う。
私達は子どもが生まれた時に【サンタさん】になったのだから。
「よし!捕まえる練習に付き合ってやるよ。疑問は自分で確かめろ」
夫はそういうと、枕元をそっと歩き、プレゼントを置くジェスチャーをする。
娘は目を閉じたまま、夫の足首を掴む。
「いいぞ!もっとすばやく!」
「ダメダメ、おじいさんなんだから、急に足を掴んだら転けちゃうでしょ!」
「そっか、じゃ…手首を…あぁ〜目を閉じてたら、わからない〜」
「目、開けろ開けろ!!」
なんてバタバタとイブの夜は更けて…🌙
「諦める」の言葉を最後に娘は寝落ち。
これを書きながら、私も寝落ち(笑)
写真は娘と作ったクリスマスケーキ🎂
いちごの小人に囲まれたサンタさんですって。
写真を撮る前に食いしん坊があちこちつまみ食い…してますけども…クリーム、つままれてますけども、
おいしくできました🎂✨