国語のテスト
「お母さん、みみって漢字、宙に書いてみて?」
こう?と宙に指で大きく「耳」とかく。
「…やっぱりか」
小1の息子が神妙な顔をして言う。
「ぼく、今日のテストでいけないことしちゃった…答えを、見ちゃったんだ」
なんと
「カンニングってこと?」
「かんにんぐ?」
「どうやって答えを見たの?」
「うん、あのね…」
ドギマギしながら息子の話を聞く。
「ぼく、どうしても“みみ”の漢字が思い出せなくて。それで
『あーーみみ!みみ…思い出せ!ぼくの脳みそ!!がんばれーー』て言ってたら…」
「待って。あ、ごめんね…それ、口に出してたってこと?」
「うん、そう」
oh…
「テスト中は喋っちゃダメだよ…」
「そうなんだよ、先生にも言われた。でも、その時はつい出ちゃったんだよ。そしたらね」
そう、肝心はここからだ。
「そしたら、〇〇くんが(斜め前の席の子)手を挙げて、黙って宙に字を書き始めて
え?てぼく、言っちゃったんだ。そしたら、周りの人がまた手を挙げてなにか書き始めて」
「みんなが教えてくれようとしたんだ?」
「たぶん。それで先生に『そういうのはやめましょう』てみんなで注意された。テスト中は教えない、教えてもらわないって」
先生、なんて穏やかな指導なんだ。若い男の先生だから…というのは偏見だけど、ベテランのおばあちゃん先生のよう(重ねて偏見)
「ぼくさ、そういうつもりじゃなかったんだけどな…」
「思い出せーて言っちゃうから」
「そーなんだよ!もう…」
息子は反省してこれからはテスト中に一人言を言わないだろう。
それにしたって、想像するとなんだかおかしい。
先生、一人目は見逃そうとしたのかしら?気づかなかったのかも?
続々と手を挙げ、宙に耳と書く子どもたちに慌てたに違いない。
「ぼくは、一年間この子たちと過ごしてみんなの成長もよく見てきました。仲間思いの、自慢のクラスです」
最後の授業参観で晴れやかにそう挨拶した先生の困り笑顔が見える気がした。
息子は小学校最初の一年を、良いクラスで過ごしたんだな。
ところで
「みみ、わかったの?」
「んー…たぶんこう。…か、こう?かな?」

んーざんねん!(要復習)