くまんち

なんてことない、日々のこと

『クレヨンマジック』とコロボックル

以前、 「雨の日に紙飛行機を飛ばすことから始まる童話」を知っている方がいたら教えてくださいとノートを書いた。
その時、私は佐藤さとるさんの作品じゃないかと思い、そう書いた。

シャンクレールさんに『クレヨンマジック』ではないかと教えていただき、図書館に取り寄せてもらい、読んでみた。バタバタしていたが、ようやく、読めた。


間違いなく『クレヨンマジック』でした!


うろ覚えを誰かに解決してもらえるなんて。
う〜ん、すごい…
教えていただき、ありがとうございました!
 
作者、舟崎克彦さんといえば、『ぽっぺん先生』シリーズを首を傾げながら読みふけった。
 
大学教授が不思議の国のアリスのように不思議な世界で翻弄されるなんて、とても子ども向けとは思えない。哲学的なセリフも多く何度首を傾げたことか。それでも読み続けずにはいられなかった。
『帰らずの沼』は読み終わった時、深く長〜い溜め息が出た。もう一つの世界から帰還した感覚だった。
 
父は私がハマるとみると、同じ作者の本を次々と与えてくれたので、『クレヨンマジック』もそういう縁で読んだのだろう。
 
雨の日、紙飛行機、言葉を話すクレヨンというモチーフから佐藤さとるさんだと思い込んでいた。
 
***
 
“ 自分の色に不満をもつクレヨン。”
 
大人になって読むとなかなか風刺が効いている。
自分の色が気に入らない、と不平不満をこぼし、解決しろと主人公に押し迫るクレヨン達。
主人公はそれを床に押し付け塗り潰していく。
そのシーンにゾクゾクした幼い頃の自分を思い出した。
 
私が唯一折れる紙飛行機の折り方はこの本に載っている折り方だったこともわかった。
子ども部屋の床に四つん這いになって一生懸命紙飛行機を折っていた幼い自分に会えた気がした。
 
塗り潰さない方法でクレヨンの悩みを解決してあげたかったよね、私。
どんな解決方法を思いついたんだったか、もう大人になった私は思い出せないよ。
 
娘も難しい顔で読んでいる。
 
「お母さん、雨の日に紙飛行機を飛ばしてみたよ。おまじないを唱えて」
 
「クレヨン、届いた?」
 
「さぁ?試してみたら?」
 
最近は娘と共に佐藤さとるさんの『コロボックル』シリーズを読んでいる。
今は2冊目の『豆つぶほどの小さな犬』
クリノヒコやクヌギノヒメとの再会は幼い自分との再会だ。
 
娘がお絵かき帳に小さなお友だちを描いてる姿は、あの日の私を見ているよう。
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昔、好きだった児童書を改めて読むというのもいいものですね。