くまんち

なんてことない、日々のこと

ささやかで大きな一歩を

小三にして、娘が初めて学級委員になった。
自ら立候補したそうだ。
 
引込み思案ではないが、真面目に考えすぎて気負う子なので「長」のつくものは嫌だと今まで避けてきた。どうした心変わりかと聞いてみれば
 
「もうすぐ転校するからさ、この学校でできそうなことは何でもしとこうと思って」
 
たかが、学級委員…とはいえ、一丁前に立候補の時に演説もするらしい。娘は
 
「3学期はこのクラスで過ごす最後になります。みんなで楽しい思い出をいっぱい作りましょう」
 
と言ったそう。
 
あぁ、あなたはそんなに大きくなったのね。
 
お調子者のくせに、怖がりで
いつもふわふわ、マイペース
 
わた毛のように頼りなくて、心配ばかりしてしまうけど、ちゃんと自分で考えて一人で決心して、挑戦できるくらい強くなったんだね。
 
この子がどれだけ勇気を出したかを思うと、そしてその勇気がクラスの子に受け入れられたことを思うと、やっぱり嬉しい。
 
親バカだから。
 
親の都合で四年生で転校させる申し訳なさや、うまく新しい学校に馴染めるかの不安は拭えないものの、彼女なら乗り越えられる。
…そう信じようと思う。
 
任命式を終え、校長から手渡された任命状を大事に持って帰ってきた娘の笑顔はどこか誇らしげだ。
 
胸に光る委員長バッチがきっと、これからの彼女を支える勇気になる。