くまんち

なんてことない、日々のこと

shortnoteは紙飛行機

子どもの頃、童話作家佐藤さとるさんが好きだった。コロボックルシリーズはもちろん、短編集もどれも大好きだ。日常と隣合わせのメルヘンは、私の現実と空想の境界線を曖昧にしてくれた。
 
道端に落ちているクレヨン、夜中の電信柱、引き出しの中のチビた鉛筆。日常のちょっとした違和感が私を誰も知らない世界へ導いてくれるんじゃないか、そんな期待をいつも心の隅に置いておけたのは佐藤さとるさんのおかげに他ならない。
なんなら、今も少し、ほんの少しだけ期待している。
今日、私が熱中症の小人を保護することもあるかも?なんて。
 
その(おそらく)佐藤さんの短編に雨の日に紙飛行機を飛ばすことから始まる童話がある。
遊びに出かけられず退屈した主人公が紙飛行機を折り、窓の外に向けて投げるのだ。
 
私にとって、short noteがその紙飛行機にあたるな、と思った。誰に向けるでもなく書いた手紙を紙飛行機にして飛ばしているような感覚。
あまり内容もないんだけれど。だから誰に読んでほしい、ということも返事がほしいということもないんだけど、時々どこからともなくお便りが届く。
お便りをいただくと、いつも少しびっくりするし、ドキドキする。届く宛のない紙飛行機を拾って読んでくれた人が存在することにドキドキする。
 
short noteを始めて3ヶ月程経った。
いろんな利用方法があると思うけど、私は宛先のない紙飛行機を飛ばす感覚を楽しんでいこうと思う。
私を知る人がいないところで気持ちを吐露する場にしようと思って始めたけど、今はこんな感じが心地良い。
 
***
 
ところで、もしも先述の「雨の日に紙飛行機を飛ばすことから始まる童話」をご存知の方がいらっしゃったら、タイトルを教えてくださると嬉しい。
この冒頭のシーンが好きで雨の日に真似して紙飛行機を飛ばしたこともあるのに、どうしても肝心の内容を思い出せない(><)
作風から佐藤さとるさんだとは思うんだけど、安房直子さんも好きだったし、立原えりかさんもよく読んでいた。立原さんは作風が少し違うかな。
思いつくキーワードで検索するも短編だからかヒットしないのです。実家に帰れたら古い本棚にあるはずなんだけど…
このノートがご存知の方の目に留まったらいいなぁ