くまんち

なんてことない、日々のこと

いいこと、おもちついちゃった!

4歳の息子は「いいこと、思いついちゃった!」を「おもちついちゃった」と言い間違える。
 
何度か訂正したが、思いついた「いいこと」を伝えたい一心の前にはそんな訂正など些事。
「細かいことはいいんだよ!!」という気迫に吹き飛び、届かない。
まぁ、そのうち自分で修正するだろう。
何より、ちょっとかわいい(親バカ)
 
焼けるように暑い日中はもっぱら家の中で遊んでいる。そして夕方からちょっとだけ公園に行くのだけど…今日みたいな一日中雨の日は4歳児がエネルギーを持て余す。
 
アマプラで『おさるのジョージ』を見ながら息子が言った。
 
「ねぇ、なんで夏には雪が降らないの?
 雪が降ったら冷たくて気持ちいいのになぁ…」
 
だよねぇ…
テレビではジョージが雪でイグルーを作っている。
 
「でも、寒い日にしか雪は降らないんだよ」と娘が教える。
「なんで?」
「んー…雪は凍った雨みたいなのだから。ほら、氷は冷凍庫にしかないでしょ?アイスはだんだん溶けるでしょ?」
そっかぁ…とつぶやいた息子はパッと目を輝かせて言った。
 
「あ! いいこと、おもちついちゃった!!」
 
それから、止める間もなくティッシュ箱から大量にティッシュを抜きだした。
慌てて阻止すると今度は、先日ティッシュが繰り返し出てくる仕組みに「気づいちゃった!」と夢中で引き出しまくったティッシュを出してきて(私が汚れを拭くのに使おうと別の箱に取っておいたもの)山盛りの丸めたティッシュを…
 
「雪でーーーす!!」
 
とソファの上から部屋中に撒き始めた。
 
何やってんのーーとおろおろする娘と嬉しそうにティッシュを拾っては投げ拾っては投げする息子を見ていたら、なんだか笑ってしまって。
ティッシュボックスを目につかないところへそっと避難させ、子どもたちと“雪遊び”をした。
 
「ぼくに雪を積もらせて!」という息子にふんわり丸めたティッシュを乗せていく。
「顔もね!」娘と顔を見合わせ苦笑い。
「全然寒くない!!」
 
娘が「雪合戦だ、ちび太!!」と丸めたティッシュを投げる。ふわ〜っと全然狙ったところに飛ばないけれど、二人は大ウケだった。
 
ご想像いただける通り、リビングは大惨事。
 
子どもたちがゲラゲラ大はしゃぎする中、いち早く冷静になった大人の私はげんなり。苦笑いしか出てこない。
 
「さて。楽しんだあとはお片付けだ。ティッシュは集めて…」
「捨てない!また雪にして遊ぶから!
「…じゃ、集めてこの箱に。きちんとお片付けしなと全部ゴミにしちゃうからね!」
 
宿題しなきゃ〜とそそくさ逃げる娘。困った息子は癇癪を起こすかと思いきや
 
「いいこと、おもちついちゃった!!」
 
ティッシュの山の前に四つん這いになる。
 
「お母さんも手伝って!…違うよ、お母さんはぼくの足を持つだけ!ちび太、掃除機になるから」
 
なんですと!?
 
私に足を持たせて、手押し車のようになると
「うふふ、見てて。掃除機だからめーーちゃ早いよ!」
「手がないから無理よ」
「やってみる!」
うおおーーー!ドスッと勢いよく胸から床に落ちた息子は怯むことなくそのまま両手でティッシュをかき集める。
「見てーー!!早い?すごい?」
暴れる息子の足を持つ私の腰が悲鳴をあげる。
 
うおおおおーーーー!!


「疲れた。牛乳くださ〜い」
 
結局、普通に片付けた。
ちび太掃除機は移動が困難で、目の前のティッシュを集めることしかできないからだ。
 
「失敗しちゃったけど、次は大丈夫さ♪」
 
 
私は「いいこと、おもちついちゃった」が大好き。