くまんち

なんてことない、日々のこと

心に残った言葉

娘が暗い顔で帰ってきた。
 
「お母さん、私の心に残った言葉って何かな…
 …て、お母さんに聞いてもねぇ〜あぁあ〜」
 
お…おお、どうしたどうした?と話を聞くと国語の授業で『心に残った言葉』と心に残った理由を発表することになったのだそうだ。
 
「でもさ、そう言われても…な〜んも思い出せないんだよ…」
 
「う〜ん、そう言う時はシチュエーションを絞ったら?ほら、スイミングの先生が励ましてくれた時のこととかさ。あ!転校した時にお友達が言ってくれたこととか!」
 
娘は あぁ、という顔をしてしばらく固まったあと、涙をポロポロとこぼし始めた。
 
ど、どした?どうした??
 
「思い出せない…な〜んにも。てことはさ、私…今まで生きてきて、な〜んも心に……う、うぅぇ…」
 
今までいろんな人に励まされた記憶はあるけど、なんと言われたかをまったく覚えてない自分自身に落ち込んだらしい。
 
「私って…ぶぇ…」
 
違う。
たぶん、その課題はそこまで重い内省は求めていないのだよ、娘!もっと、ライトに、フランクに!
 
「そりゃ、誰だっていきなりは思い出せないよね」
「俺もなんの言葉も思い浮かばない。ハハハ」
 
(夫…あなたは天上天下唯我独尊マンだもんね)
 
「難しいね。他の子もみんな悩むだろうなぁ」
「ううん、田中さん(仮)はね、やればできるだって」
「いいじゃん!」
「落ち込んでる時に見てたテレビでティモンディの高岸さんがやればできるって言ってて、元気出たんだって」
「いいじゃん、それ系で考えてみたら?」
「えー?特にない…」
「好きな本の中の台詞とか、あ、歌詞とかでもいいんじゃない?」
 
「あぁ ……なーーーーーいーーーー!!(泣)」
 
 
悶え苦しむ娘を見ながら
かわいい奴(真面目)だなぁと思ったのでした。