くまんち

なんてことない、日々のこと

マイホームのこと②

大きな選択の前には何かしら想定外のことが発生するものなのだろう。
我が家がマイホーム購入という大きな選択をし、前進していく中に意外なところから問題が湧いて出た。

 

分譲地の団地内に保育所を作りたいという人が現れたのだ。

 

雨の日の夜、我が家を訪ねてきたその人は「簡単なアンケートなのでこの場で書いちゃってください」と百貨店の商品券と一緒に紙を差し出した。

 

待機児童対策の一環として、分譲団地の敷地内に保育所を作りたいが、一般住居向けとして分譲しているから、と工務店が認めてくれない。ご理解いただいたら署名してほしい。

というような内容が書かれていた。ご丁寧に署名と捺印も要求されている。

 

工務店側からはこんな話は一切聞いていない。

寝耳に水だ。いやいや、その前になぜうちがその分譲地を購入したことを知ってるのか⁈

「簡単に返答できることではないので、また後日…」と追い返そうとする夫と

「いや、もうサインしてもらったらそれでいいんで、ちゃちゃっと!」と粘るおじさん。


一向に引かない。私が出なくて良かったと思った。一悶着ありながらも帰ってもらい、夫婦で脱力した。


なぜ我が家の住所が特定されているのか。

 

すぐに工務店の私たち担当に電話をした。

工務店がうちの現住所を知らせたのだとしたら、購入自体を白紙に戻してもいい。それくらい不快だった。

 

担当者は絶句。「法務局で調べたんですね」


この急な訪問についてはこの時点で我が家からしか報告がないらしい。


事情を確認すると

その保育所というのは、分譲地に隣接する企業の為の託児所で、一般向けの保育所ではないらしい。


敷地内には住居以外の物、店舗などは建設しないという話だったので、契約と違うと訴えると、そもそもはその企業の社長親族の名前で一般住居を建てる話で購入したのだそうだ。ところが契約後にやっぱり保育所にしたいと言ってきたのだという。見た目は一般住居風で定員10人程度の小さな施設。こういうのは所謂認可外保育施設というもので、グレーゾーンなのだそうだ。(自宅でくもんの教室をやるようなイメージ?)
工務店へ先方から「(分譲地購入者と)直接話して理解を得たい!」という要望はあったものの、工務店側は自分達が間に立つから控えてほしいと伝え、社内で我々分譲地購入者にどう説明するか審議している最中だったのだそうだ。

…それを待たずに強行した、と。

 

どっと疲れた。

 

土地購入者を勝手に調べて訪問、というのはまぁ、よくある話なのかもしれない。知らんけど。あるのかもしれないが、気持ちが悪い。
加えて、やり方が気にくわない。訪問時の態度も感じがいいとは言えなかった。


とにかく、気持ち悪い。


押し付けられた商品券は工務店を通して返してもらった。

 

現在、工務店側の弁護士とその企業の営業担当とで話し合っている段階で答えは出ていない。
工務店は匿名でアンケートをとり、分譲地購入者が一人でも反対するのなら保育所は建設させないと言っている。

 

ホッとした反面。

これ、反対者がいても企業が保育所を諦めるとは限らないんじゃないか?
契約上、建てた家を保育所に『リフォーム』することには問題ないのだ。
それなら、工務店を通して条件付で建設を認めた方がマシなのかもしれない。
反対があれば、近隣トラブルを避けてそんなことはしない、と思いたいが楽観できないのは私が小心者の心配性だからか。

こういうトラブルはよくあることなんだろうか。

雨の日の来訪者はマイホームに小さな影を落としたような気がしている。

 

[2022年追記]

反対意見の方が多かったらしく、くだんの分譲地は保育所にはならなかった。たぶん、事務所兼社宅になったのではないだろうか。入口が2つある、ちょっとなぞの建物ではあるけれど、心配していた保育所の送り迎えの車のために自分の家に帰れない、なんて事態にはならなくてよかった。