くまんち

なんてことない、日々のこと

もてなし上手になりたい

お・も・て・な・し

 

おもてなしが苦手だ。

 

悲しいくらい、うまくいかない。もてなしたい気持ちはあるのだ。くつろぎと安らぎを、また来たいと思ってほしい。

 

例を挙げよう。実際はこうだ。

 

「お茶にしましょ。珈琲と紅茶、どちらがいいですか?」

「ありがとう。どちらでも、楽な方で」

 

…え?どっちも大して手間は変わらなくない⁈いや、私の心得てない作法が⁇…いや、そんな極上の飲み物は出せない!
ドキドキ緊張MAX。そして謎の緊張はお客様に伝播する。一杯目はどうにかやり過ごしても二杯目は更にぎこちなくなる。


地獄のお茶会。


お客さんが帰るとドヒャ〜と疲れる。

もてなしたい気持ちが重いのだと思う。

「大丈夫ですか!ゆっくりできてますかー⁈」というオーラが隠しても隠しきれていないのだ。

闘魂ティータイム。

…安らげるか!

 

思えばあまり来客のある家で育っていないのだ。
母ももてなし下手だったように思う。

 

娘が生まれてから、もてなし下手な私もお客さんを招くことが増えた。
子供が小さい内はママさんも一緒。
とりあえず招かれた時と同じ作法で…とマネしている内に少しは身について、気も楽になってきた。

……と思っていた。

 

先日、遊びに来た娘の友達とそのお姉ちゃん。
おやつの好みもわからないと言うから、甘いもの、しょっぱいもの、暑いから冷たいもの…「わらび餅がいいな♪」じゃ、冷たいものは娘の好きなわらび餅。

さぁ、いらっしゃい!準備は万端よ!

 

二人とも、ものすごく無口だった。

ゲームの盛り上がりも落ち着いてきた頃合いをみて、「おやつにしようか?」と声を掛けても「……」
「好きなものがわからなかったから、こんな感じでごめんね。いつもどんなおやつ食べてる?」

「……」

「あ、えっと…遠慮なく食べてね」

「………」

「お母さん、大丈夫!二人とも無口系なの。おやつ食べよ〜!」

娘ばかりが喋っている。でも一緒に笑っている。私の姿が見えないと、少し安心するのか、ちょっとお友達の声もする。(といっても狭い3LDK。息子もいるので気配を消すのは難しい)

 

無口なだけで礼儀正しいし、きちんとお片づけして帰るし、何より娘が一緒にいて楽しそうだったから、いい子だ。いい子達なのに、ド緊張させちゃっただろうな…また来てくれるかな…ごめんね。

 

久々の完全敗北。

地獄のお茶会にしてしまったことに落ち込む私に、娘は「お母さん、頑張ってたね!」と笑った。
あの無口な子達をゲラゲラ笑わせていた上に、私にフォローの声までかけちゃう娘が眩しい。

 

もてなし上手になりたい。